公園と記憶2
公園の話の続きになります。
ブランコを見た後、その隣に小さな砂場があるのを見つけました。
さすがに砂いじりをするのは憚られてしまったので何となく懐かしい砂の感触を感じながら少し歩きました。アスファルトのようにしっかりしていない地面がなぜか癒された気分になりました。
その後小さなアスレチックを眺めてから、ベンチに花柄のハンカチがかかっているのを見つけました。
おそらく親御さんが忘れていったのではないかとは思いましたが、それは子どもの頃の気持ちをまた思い出させました。
子供のころは自分の持っているものなんかはほとんどなくて有っても買ってもらったおもちゃだったりそれこそハンカチくらいのものだったと思います。
でもだからこそ、持っているものが少なかったからこそそれはお宝だったし、落としてしまったり友達に取られてしまったするだけで泣けるようなものだったんだと思います。
今は物を落としてもまた買わなくちゃと嫌な気分にはなっても泣けるほど悔しかったり、悲しかったりするものってほとんどないなと今と比較して思いました。
なので今公園に落ちているハンカチだってもし子供のものであればそれはお宝で一生
を添い遂げようと思っているような代物かもしれません。
それを思って僕はあの頃の自分と今の自分の間の違いがあまりに大きく昔の自分と今の自分がちゃんとつながっているのか、どうしようもなく不安に感じました。
でも、前向きにとらえるならこのことを思い出せるってことはあのころのものを大切にしていた自分が残っていたということでもあるので今からでも遅くはないと思えます。
なんとかあのころのおもちゃやハンカチに匹敵するものを探してみたいと思わせてくれる公園のベンチとその思い出でした。